どうも、パーカーのフード被れば悪人面(字余り)、言語教育屋のTatです。
今回は僕が生徒として入学、講師として働いていたロシアの大学への入学の手続きや流れを可能な限り詳しくお伝えしようと思います。
入学当時の僕はロシア語能力はほとんど0でした。
取り合えずロシア語のアルファベットが読める・簡単な挨拶が分かる程度のロシア語の知識しかありませんでしたが、それでも意外となんとかなります。
もちろん英語力はあるに越したことはないですけどね。
可能な限り分かりやすく書いていますが、知っている限りの情報をギュッと纏めているので全部読むと結構な情報量かと思います。
なので目次から必要そうな項目だけ見るのもokですよー。
では早速見て行きましょう!↓
目次
入学先はロシアの北の街アルハンゲリスクの大学
入学先はこのブログでも何度かご紹介している、モスクワから寝台列車で22時間北上した場所にある街アルハンゲリスクにある大学です。
因みに飛行機ならモスクワから2時間。
大学名は「Northern (Arctic) Federal University」。
略してNArFU (ナルフ)と呼ばれたり、現地ではСАФУ (SAFU, サフー)と呼ばれたりします。


SAFUはアルハンゲリスクは勿論、この街周辺で一番大きく(アルハンゲリスクが神戸だとしたら近畿地方一帯で一番大きい)、医療関係で有名な大学です。
また、学費や生活費がとても安いのもあってロシア人だけでなくロシア周辺の国の人もよく勉強しに来ています。
ウズベキスタン人とかトルクメニスタン人とかね。
、、、ただ、やはり多くのロシア人や諸外国人、他の日本人はモスクワやサンクトペテルブルグと云った有名な都市の大学に行きますけどね。
実際SAFUに来た日本人は僕が初めてらしいですし。
ロシア語能力0なら取り合えずロシア語クラスから受講すると良い

さて、では具体的に見ていきましょう。
取り合えず大学で勉強するにあたってロシア語が出来ないと話にならないので(本講座は全てロシア語で行われる)、大学の本講義を受ける前に”ロシア語”の授業を取るほうが望ましいですよね。
この大学ではロシア語を学ぶ為のコースが4つありました。

ざっくり簡潔に要約すると、
①ロシア語の集中講座(最短1ヶ月、最長12ヶ月。単位換算無し)
②10ECTS分の短期交換セミナー。(1講義が5ECTSなので2講義。ECTSは日本の大学の”単位”みたいなもの。大学で本講義を受けてるけど1学期だけロシア語を勉強したい人が来る、単位換算有りの講座)
③夏季 or 秋季期間限定のロシア語・文化講座
④大学で学位を取りたい人向けの1年間の基礎ロシア語講座
の4つです。
どのコースも最低限の受講人数が集まらないと開講されないのですが、まぁそんな事こちら側が気にしても仕方が無いので置いておいて。
僕は当時、ロシアの大学に入学する事そのものには特に興味が無く、3年ほど遠距離したり一緒に暮らしたりしていたロシア人の婚約者がこの街に住んでいたんです。
なので、可能な限り長くロシアに居る事が目的(もっと言えばその子と籍を入れた後にもっと長期滞在できるVISAを取る事が1番の目的)だったので、1年間滞在出来る④大学に入学したい人向けの1年間の基礎ロシア語講座を選びました。
第3言語を習得する事には興味がありましたけど、まぁ長期滞在出来るVISAを取ってロシア語を話せるようになれば途中で辞めれば良いやと思ってました。
必要書類がなんかややこしい

取り合えず受講したいコースを決めたので、この大学のインターナショナルセクションにメールを送って英語で以下のように手続きやら必要書類に関して問い合わせてみました。
・SAFUでロシア語を勉強したいと思っているが、今年のロシア語クラスは開講予定か?
・VISAサポートを頼む事は可能か?(student VISAの発行)
・必要な書類、料金、書類提出の締め切りを教えて欲しい
先に結論から言うと、入学する(=student VISAを発行してもらう)のに必要だった書類は
①パスポートのコピー(通常のコピーとロシア語翻訳された物の2種類)
②VISAサポートフォーム(問い合わせた後メールで送られて来たので記入)
③卒業証明書(education certificate)のロシア語翻訳版
の3点のみ。
ロシア語翻訳はネット上で探すと翻訳を代行してくれる業者さんが居たので代行依頼をお願いしました。
それほど文字数も多くないので①と③で8000円ちょっとで済んだと思います。
③はあくまで“education certificate(=教育課程の修了書、証明書)“なので必ずしも卒業証書でなくても良いと思います。
何らかの教育課程が終わったよ、という証明書であれば。
まぁ卒業証書が一番分かりやすいとは思います。
ところで、これら3点のみ用意すれば良いだけのこーんなに簡単な事なのに、わざわざタイトルを「必要書類がなんかややこしい」って書いたのには理由があるんですよお兄さん!
実は大学側に必要書類に関して問い合わせた時、最初に言われた書類はこんな感じでした↓
①パスポートのコピー
②履歴書(ヨーロッパ様式が望ましい)
③モチベーションレター(なぜ入学したいか等の動機・理由を纏めたもの)
④修士or博士課程を修了している事の証明書の原本、英訳のコピー
⑤学業成績証明書(大学の成績表)の原本、英訳のコピー
⑥卒業した大学からの、ロシアの大学で学ぶことへの同意証明書
⑦推薦状
⑧VISAサポートフォーム(メールで送られてくる)

8種類?!
推薦状?!!!
超ーーーーーややこしいし面倒くさい!!
この問い合わせをした当時、オーストラリアで働いていたので「書類を揃える為だけに一回帰国しないと駄目かな、、、」とちょっと焦りました。
でも帰国したところで、推薦状とか同意書とか(そもそも大学側からの学習に関する同意書って何やねん、、)すぐに用意出来る物でもないし、、というか何より本当に面倒くさい、、、
因みにこの問い合わせをした時期は2017年4月23日。
そしてこれらの書類の提出期限が5月15日と言われました。
3週間で全部揃えて、ロシア語翻訳して提出しろってことですね。
ロシアの大学が始まるのが2017年9月からなのでまぁ早いに越したことは無いんでしょうが、それにしてもタイトなスケジュール。
ただ、この書類の量は流石に面倒ですし、3週間で全部用意出来るとは思えなかったので色々と質問をぶつけてみました。
・もう既に日本の大学を卒業してから5年程経っているが、それでも【⑤学業成績証明書(大学の成績表)の原本、英訳のコピー】と【⑥卒業した大学からの、ロシアの大学で学ぶことへの同意証明書】が必要か?
・推薦状に関しては、2年前と3年前にアルハンゲリスクの英会話学校で働いていたからそこのボスに頼んで書いてもらうのでも有効か?(⇒日本の大学の教授とかじゃなくてもokかを聞きたかった)
・2年前に今と同様にSAFUに入学するための書類に関して問い合わせた時は、「書類提出の期限は授業開始(9月)の1.5ヶ月前だ」と言われた。
今オーストラリアで働いているので、頑張って書類を揃えるつもりだが3週間以内は厳しい。もうちょっと期限を延ばして貰えるか?(実際に以前問い合わせた事がありました)
これらの質問を書いた後に来た返信が、

という感じで、質問に対する具体的な答えは帰って来ず、申し込むコースの確定を促す文章とECTS(単位)に関する説明のみ返ってきました。
そして
「今のところ”④大学に入学したい人向けの1年間の基礎ロシア語講座”に申し込もうと思っています。その場合の必要書類は何でしょうか?」
と、改めて大学側に聞いたところ、
①パスポートのコピー(通常のコピーとロシア語翻訳された物の2種類)
②VISAサポートフォーム(問い合わせた後メールで送られて来たので記入)
③卒業証明書(education certificate)のロシア語翻訳版
を送ってくれという案内が来ました。
じゃあ最初の8種類のややこしい書類は何やったんや、、、、?
変に規律に厳しく、でもなんかゆるゆるなロシアの手続き

そんなこんなで取り合えず3種類の書類を用意することに。
パスポート等はスマホで写真を撮って送るだけでokでした。(偽造とか気にせんの?!いや、せーへんけどさ)
また、日本に居る友人に頼んで自分が卒業した大学に行って貰って、卒業証書を改めて発行してもらい(委任状を作ったりするのが大変でした、、、)
↓
写真で撮って貰い、その写真をロシア語翻訳代行の方に転送して翻訳してもらう
という感じでなんやかんや準備し、書類を揃えてメールで送ったのが2017年5月27日。
・「上記3つの書類を準備して下さい」っていうメールには締め切りが書かれていなかった
・書類の準備をしている間も不定期でメールで質問をしていたのでこまめに連絡を取っていた
っていうのもありますが、それでも最初に言われた締め切り(5月15日)を完全に無視!
でも特に何も言われませんでしたよ笑
しかし、そんな感じで5月27日に3種類の必要書類を付けたメールを送ったんですが、それから何も返事が返って来ませんでした。
一応一週間ほど待ってみたんですが特に返信が無かったので6月2日に「27日に送ったメールは届いていますか?」といった旨の確認メールを送りました。
すると、

あと、学費は前もって銀行振り込みで支払う事は可能ですか?請求書を発行しますので
という返事が返ってきました。
ロシアの銀行の口座を持って居なかったので、「クレジットカードで支払う事は可能か?」という返事を送ったのが同日の6月2日。
そしてその返事以降、向こうから全く返事が来なかったので6月13日にもう一度確認メールを送りました。
しかしその確認メールにすら返事が来ず、痺れを切らして更にもう一度確認メールを送ったのが6月22日。(もちろん全てのメールは凄い丁寧なビジネス英語で書いてますよ!)
すると、送ったその日にメールが返ってきましたが、今まで連絡を取り合っていた担当者ではなく別のロシア語コースのコーディネーターからでした。
内容はこんな感じ

学費に関しては前以てではなく、こちらに到着してからの支払いになります
VISAを取るまでの流れとしては、
・ロシアの大学から招聘状(しょうへいじょう)がメールで送られてくる
↓
・それを印刷してロシア領事館に持って行き、申込書・パスポート・写真と共に提出する
↓
・一週間後にVISAが印刷された自分のパスポートを受け取れる
という感じ。
VISAをゲット出来たら後は現地までの航空券を買って行くだけですね。
っていうか学費は現地に着いてからなんかい、、、
因みに。
今なら分かるのですが、ロシアの大学は9月から始まって6月とか7月に学期が終わるんですね。
なのでメールを送った時期が丁度学期末でバタバタしていたり、先に休暇を取る人も居たりするのもあって返事が中々返って来なかったんでしょうね。
ヨーロッパの行政機関とかもそうですけど、ロシアもちゃんと確認メールをこちらから適宜送らないと後回し後回し、最悪忘れられて流れちゃいますから気を付けてくださいね!
日本みたいに過保護なほど把握してくれませんからね。
無事に招聘状が送られて来た!でも注意しておいて欲しいこと
そんなこんなで6月末に無事招聘状がメールで送られてきました。

↑コレは厳密に言えばVISAの為の情報が書かれているもので、この書類と大学側のサインが入った招聘状の2枚がメールに添付されて送られてきます。
あとはコレらを印刷して領事館へGO!
お疲れ様でしたー(* ̄▽ ̄)b
、、、と、せっかくなので、ここで知っておいた方が良い情報を4点お伝えします。
1)1年のVISAでも最初はMax3ヶ月
1年間のロシア語クラスに申し込んでも最初に来るビザの期限は9月ー11月末の分のみです。
最初は3ヶ月分のVISAで行き、大学に入ってから残りの期間のVISAを更新する形になるので焦らなくて大丈夫です。
2)最初はシングルエントリーのみ
領事館に行ってVISAの申し込みをする時に
・シングルエントリー
・ダブルエントリー
・マルチエントリー
を選択する項目があります。
これはある特定の期間中にロシアに入国出来る回数を表すもので、
・シングルエントリー:VISAの期間中の入国は1回のみ
・ダブルエントリー:期間中の入国は2回出来る
・マルチエントリー:期間中の入国は何度でも出来る
というものです。
今回のような学生VISAの場合、最初の3ヶ月分のVISAはシングルエントリーしか出来ず、VISAの更新をしてからはマルチエントリーになります。
この事を知らず、僕はVISAの申し込み書類で「ダブルエントリー」で申し込んじゃってました、、、
一回入った後ロシアから出られないのはイヤやなーと思って。
まぁ大学側の方で修正してくれていたので特に問題にはなりませんでしたが、不安なら大学側に確認してくださいね。
3)学費は前期後期の2回で支払える
授業費が超安い!ロシアの大学に入学してロシア語の勉強を始めたがビックリする事だらけだったでも書きましたが、大学に入ってから支払う学費は2回払いが出来ます。
単純に向こうで大きいお金を持ち歩くことがイヤだったのと(現金払いのみ)、最悪大学に居る理由が無くなって前期の途中で辞めても後期に支払った分は返ってこないので、特に理由が無い場合は2回払いにすることをオススメします。
4)到着後7日以内に滞在登録する必要がある
旅行などではなく長期滞在する場合、ロシアに到着後、7営業日以内に現地で滞在登録する必要があることを覚えておいて下さい。
特に現地に知り合いがおらず大学の寮で生活する場合は、大学の人と一緒に役所(警察?)に行って手続きをすることになります。
現地に知り合いが居て、その人の家に住んだり一緒にアパートを借りたりする場合は、その一緒に住むロシア人(現地での保証人)が大学の人と登録手続きに行くことになります。
いずれにせよ、“到着後7日以内に登録する必要があるものがある”というのを覚えておいてくださいね。
大学に直接入学するよりロシア語クラス経由の方がVISAも取り易い

最後にちょっとおまけの情報を。
この記事でずっとお話していた1年間のロシア語基礎コース、9月から2月まではひたすらロシア語のみを勉強します。
そして後期である2月~6月までは現地のロシア人の生徒に混じって「社会学」とか「経済学」とか、いくつかある選択肢の中から1つ選んでそれを勉強します。もちろんロシア語オンリーで。
まぁ真面目に勉強して授業に出ていれば、前期で大体ロシア語で何を言っているかが分かるようになるのでそれほど心配しなくても大丈夫です。
そして、大体前期の途中、12月頃になると
「この基礎コースが終わった後に大学で一般の大学生として勉強する気はあるか(=本入学する気があるか)?」
を聞かれ、その気があるなら必要な書類を渡されます。
後期の授業の単位が本入学後の単位に加算されるので、前期の途中で既に意思確認をしているようです。
しかも、まだあまりロシア語を話せず、成績もあまり良くない生徒にまで聞いていたのでこのロシア語基礎コースからだと本入学がすんなり出来る訳ですね。
書類の量も3種類で済みますし(SAFUの場合はですけど)学費も安いので、もしロシアの大学に入学したいなら本入学の前段階、ロシア語のみを勉強するコースに入学してからの方が簡単だと思いますのでオススメですぜ!
まとめ
以上、ロシアの大学に入学するまでの流れでした!
入学してからも健康診断とか保険とかでなんやかんやで忙しくなりますが、まぁそれは現地に着いてから上手く捌いてください。
今回お伝えした情報はあくまで僕が行った大学の情報なので、モスクワやぺテルブルグの大学はもっと必要書類が多かったり学費が高かったりするかもしれません。
というかそもそもアルハンゲリスクの物価が低いので、学費や生活費は高くなるでしょうね。
それでも、可能な限り詳細な情報をまとめたつもりですので、この記事が貴方にとって何かしら役立つものになると嬉しいです。
何か不明な点があればコメント欄に書くか、直接お問い合わせくださいね。
ではでは!